フランス代表Dupont選手、パリ五輪目指し HSBC SVNSバンクーバーで7人制デビューへ

バンクーバーで2月23-25日に開催されるHSBC SVNS 2024第4ラウンドで、男子15人制フランス代表主将でワールドラグビー年間最優秀選手にも選ばれたAntoine Dupont選手が7人制フランス代表でデビューする。パリ・オリンピックを7月に控えて、現在7位のフランスの起爆剤となるか、BCプレイスでのエキサイティングな3日間に注目だ。

 SVNS2024シリーズは4ラウンド目。男子は第2、第3ラウンドを続けて制したアルゼンチンが勝ち点を58と伸ばし、44で並ぶフィジーとオーストラリアに14差で首位。女子は第1、第2ラウンドで優勝したオーストラリア(勝ち点58)が2位のニュージーランド(勝ち点46)、フランス(44)、第3ラウンドのパース大会を制したアイルランド(38)抑えてトップに立つ。

 男子大会での注目の一つは、男子15人制で2021年ワールドラグビー年間最優秀選手に選ばれたフランス代表のAntoine Dupont選手だ。フランス代表SHは今回のバンクーバー大会で7人制フランス代表デビューが見込まれている。

 Dupont選手が昨年11月、自国開催のパリ・オリンピックで金メダル獲得を目指して7人制に集中し、2月からのシックスネーションズ出場を見送る意向を表明してファンを驚かせた。その言葉通り、年明けから7人制代表チームに合流して調整を続けてきた。

 SVNS 2024でフランスは現在7位。ドバイでの開幕ラウンドで9位、ケープタウンでの第2ラウンドで8位、先月のパース大会で6位と徐々に順位を上げてきた。

今回バンクーバーではプールBでアメリカ(8位)、サモア(9位)、オーストラリア(3位)と対戦する。

 フランス男子チームで主将を務めるPaulin Riva選手は、「チームはいい感じだ。パリ・オリンピックへ向けてシーズンを築いていきた。昨年のバンクーバー大会では決勝進出ですごく良い時間を持てたので、今年は優勝したい」と意気込む。

Dupont 選手の加入については、「Antoineがチームに入ったことは、代表にとってもセブンズラグビーにとってもすごくいい事だ。オリンピックは僕らと僕らの国にとってとても重要だ。金メダル獲得を狙いたいと思っている」と語った。

 男子のプールAでは、シリーズ首位のアルゼンチンがオリンピック金メダリストで現在シリーズ2位のフィジー、スペイン(10位)、開催国のカナダ(11位)と対戦。プールCではアイルランド(5位)、南アフリカ(4位)、ニュージーランド(6位)、英国(12位)が対戦する。

 アルゼンチン男子チーム主将のSantiago Alvarez選手は、「僕らは自分たちが首位にいることはあまり考えないようにしていて、余計なプレッシャーを抱えないようにしている」と語り、「自分たちのシステムに集中して、オリンピックへ向けてのプロセスと毎日を楽しもうとしている。アルゼンチンのスタイルはパッションを前面に出してプレーすること。過去2シーズンもバンクーバーでは僕らは良い成績を残せているので、今週末もそうしたいと思っている」と話している。

首位オーストラリアを追い、激戦必至の女子

 女子の大会でも激戦がされている。

 プールAでは先月のパース大会でシリーズでの初優勝を遂げたアイルランド(4位)が、ニュージーランド(2位)、ブラジル(9位)、南アフリカ(11位)と顔を合わせる。

 一方、現在シリーズ首位に立つオーストラリアはプールBでアメリカ(5位)、フィジー(7位)、日本(10位)と戦い、プールCでは英国(8位)、スペイン(12位)、開催国のカナダ(6位)が対戦する。

 「パース大会の決勝でアイルランドに敗れたことは本当に残念だった」とオーストラリア女子チーム主将のCharlotte Caslick選手は振り返り、今大会へは「規律にフォーカスを当てていて、大きな取り組みになる。ここのフィールドは速くて、私たちにピッタリ。チームとしてはオリンピックの第1シードを目指しているので、すべての大会でそれに向けて少しでも上位に入ることを目指している」と話した。

 開催国として臨むカナダ女子チームのOlivia Apps選手は、「私たちはホームのファンや友人や家族の前でプレーするのは本当に大好き。特にBCプレイスでのファンの雰囲気は最高だし、若い女の子たちの前でプレーできることはすごく重要で、最終的にはそれが代表のジャージを着る理由だし、それを楽しみにしている」と語った。

 サクラセブンズ女子日本チームも、2月16日から現地で地元チームのなどの協力を得ながら準備をしてきた。

 昨年11月にオリンピック出場権を獲得し、他の出場国同様に、今季のSVNSの各ラウンドをオリンピックへの貴重な調整の機会ととらえているが、現在のシリーズ順位は10位。開幕ラウンドのドバイで9位、ケープタウンで10位、パース大会は11位と思うような成績を出せていない。

今回のバンクーバーでは、プール初戦でシリーズ首位のオーストラリアと対戦し、その後もアメリカ、フィジーと上位陣との連戦となるが、今大会へ向けて新たな守備のシステムにも取り組んできている。ミスを減らし、上位浮上のきっかけをつかみたい。

HSBC SVNS 2024は男女各12チームが参戦。レギュラーシーズン大会ではドバイを皮切りに、ケープタウン、パース、バンクーバー、ロサンゼルス、香港、シンガポールで全7ラウンドを開催し、最後にマドリッドでグランドファイナルを迎える。